私は学生時代には音楽を勉強しており、また現在はデザインをしたりイラストを描く仕事をしておりますが、人の心の中にある繊細な感情を表現する最も素晴らしい表現方法は、日本語による詩ではないかと感じています。

学生の頃から高村光太郎や中原中也の詩が好きで、今でもときどき本棚から取り出して詩集を読み返すときがあります。漢字とひらがな、カタカナの組み合わせというだけでなく、月を表現する言葉だけでも「新月」「三日月」「十六夜」「立待月」など、字面の意味合い、音のリズムなどの美しさは、それだけでも芸術的な魅力に溢れています。

このギャラリーに訪ねてきてくださった皆さまと、こうした美しい言葉と心を交わすことができる場になることを願っております。